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2026.08.21婚活の心理学

心理学|なぜか忘れられない人に共通すること5選

お見合いを重ねていると、不思議なことに気づきます。

「感じは良い方でした。でも……どんな話をしたか思い出せません」

その一方で、こういう方もいます。

「特別なことは何もなかったんですけど、なぜかあの方のことを、あれから何度か思い出しているんです」

会っている時間は同じ1時間。年齢も条件もそう変わらない。それでも、片方は記憶に残り、片方は残らない。この差は、容姿でも年収でもありません。

記憶と好意については、心理学の分野でいくつもの研究があります。今回はそこから、40代の婚活で「なぜか忘れられない人」に共通することを5つ、お話しします。

1. 感情が動いた時間を、一緒に過ごしている

人の記憶は、情報の量では決まりません。感情が動いたかどうかで決まります。

心を動かされた出来事は、そうでない出来事より強く記憶に残ることが、記憶研究では繰り返し確認されています。楽しかった、安心した、驚いた、少し照れた。そうした感情の揺れが、その時間ごと記憶に焼きつけます。

ここで大事なのは、「相手を楽しませた人」ではなく「自分が楽しいと感じられた時間を作れた人」が記憶に残る、ということです。面白い話をたくさんした人が印象に残るとは限りません。むしろ、こちらが安心して笑えた時間のほうが、後から残ります。

お見合いで完璧な受け答えをしようとすると、会話は情報交換になります。趣味、仕事、休日の過ごし方。間違いはないけれど、感情はどこも動いていない。だから、思い出せないのです。

2. 自分のことを、気持ちよく話させてくれた

人は、自分について語っているとき、脳の報酬に関わる領域が活発になることが知られています。自己開示そのものに、心地よさがあるということです。

つまり、「たくさん話してくれた人」より「たくさん話させてくれた人」のほうが記憶に残ります。

恋愛心理学でよく引用される研究に、初対面の相手と段階的に個人的な質問を交わしていくと、短時間でも親密さが高まる、というものがあります(アーロンらの一連の実験)。質問の中身が特別なのではなく、少しずつ深い話に進む「順番」が働いています。

40代の婚活では、ここを逆にしてしまう方がとても多いです。自分の条件や経歴を、限られた時間で正しく伝えようとする。気持ちは分かります。でも相手の記憶に残るのは、あなたが話した内容ではなく、あなたの前で自分が話せた感覚のほうです。

3. 話が、途中で終わっている

心理学にツァイガルニク効果という言葉があります。人は、完了した物事より、途中で中断された物事のほうをよく覚えている、という現象です。

会話も同じです。すべてを話し切って「今日は満足しました」で終わった相手より、「その話、続きが聞きたかったな」で終わった相手のほうが、後から思い出されます。

これは駆け引きをしましょう、という意味ではありません。40代の婚活では、初回でお互いの人生をすべて説明しようとしがちです。結婚歴、家族のこと、仕事の状況、これまでの婚活。誠実さから来る行動ですが、話し切ってしまうと、次に会う理由が言葉として残りません。

「そのお話、次にお会いしたときにぜひ聞かせてください」。この一言があるだけで、相手の中にその会話が開いたまま残ります。

4. 一度の濃さより、回数を重ねている

単純接触効果という、心理学ではよく知られた現象があります。人や物に繰り返し接するほど、その対象への好意度が上がりやすい、というものです。

一度の劇的な出会いより、短い接触の積み重ねのほうが、記憶にも好意にも効きます。1時間のお見合いを1回だけした相手と、10分の連絡を6回した相手では、後者のほうが残るということです。

ここは40代にとって、特に現実的な話です。仕事が忙しく、会える回数を増やすのが難しい。だからこそ、会っていない時間の短い接触が効いてきます。長文のメッセージを週に一度送るより、短いやりとりを何度か重ねるほうが、心理学的には理にかなっています。

ただし注意点があります。単純接触効果は、最初の印象が悪くなかった相手にしか働きません。マイナスの印象から始まった場合、接触回数を増やすと逆効果になることがあります。回数を重ねるかどうかは、初回の手ごたえを見てから決めるものです。

5. その人といるとき、自分を好きでいられた

これが、いちばん大きいかもしれません。

恋愛心理学にはミケランジェロ現象と呼ばれる考え方があります。彫刻家が石の中から像を彫り出すように、良いパートナーは相手の中にある「なりたい自分」を引き出していく、というものです。

近い考え方に自己拡張理論があります。人は、その関係を通じて自分の世界が広がる相手に惹かれる、という理論です。

言い換えれば、「一緒にいると、自分のことが少し好きになれる人」は忘れられません。逆に、会うたびに自分を小さく感じてしまう相手は、条件がどれだけ良くても記憶に残りません。正確には、残っても好意としては残らないのです。

40代の婚活では、この感覚がとても正確に働きます。これまでの人生で、自分を消耗させる関係も、支えてくれる関係も、どちらも経験してきているからです。

逆に、忘れられてしまう人の共通点

ここまでの裏返しですが、はっきり言うとこうなります。

  • 減点されない受け答えに終始した
  • 聞かれたことに答えるだけで、相手に質問を返さなかった
  • 初回で自分の情報をすべて説明し切った
  • 完璧に見せようとして、感情が一度も出なかった
  • 会った後の連絡が、事務的な一往復で終わった

どれも、失敗ではありません。むしろ「失敗しないこと」を優先した結果です。ただ、失敗しない会話は、同時に記憶にも残らない会話になりがちだということです。

印象に残ることは、40代にとって効率の話でもある

20代であれば、回数を重ねる中で自然と関係が育つこともあります。しかし40代の婚活は、使える時間が限られています。

だからこそ、1回のお見合いで相手の記憶にどう残るかは、そのまま効率の問題になります。印象に残らなければ、次はありません。次がなければ、また最初からやり直しです。

ここでお伝えした5つは、どれも性格を変えろという話ではありません。感情が動く時間を作る。相手に話してもらう。少し残して終わる。短い接触を重ねる。相手が自分を好きでいられるようにする。やり方の問題であって、あなたの価値の問題ではありません。

ひとりで振り返るのは、意外と難しい

とはいえ、自分のお見合いがどう見えていたかを、自分だけで振り返るのはとても難しいことです。うまくいかなかったとき、人はたいてい「自分に魅力がないからだ」という、いちばん役に立たない結論にたどり着いてしまいます。

Aira Marie では、男女2名のカウンセラーがお見合いの振り返りを担当します。女性カウンセラーが気持ちの整理を、男性カウンセラーが「男性側にはどう見えていたか」を具体的にお伝えします。さらに、お見合いの申込みから交際までの数値を見て、つまずいている場所を特定します。

感覚ではなく、事実として「どこを変えればいいか」が分かる。それだけで、次のお見合いはまったく違うものになります。

忘れられない人になるために、特別な魅力は要りません。
必要なのは、少しのやり方と、それを一緒に確認してくれる相手です。

山内 沙織
MAIN COUNSELOR
山内 沙織
忙しく働く30代・40代のための結婚相談所 Aira Marie の代表カウンセラー。婚活の迷いに伴走しています。
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